
初めての方へ
犬と猫は人間の家族と共に生活できる、大変魅力的な動物ですが、やはり我々と同様“生き物”ですので、一生病気をしないことはありません。
病気の中にもペット同士で移るもの、人間に移るもの、慢性・急性・突然死するものなどがあります。
共に生活する上で注意し、未然に防ぐためにも飼い主様が気をつけなければならないことをこちらでご紹介させていただきます。
ワクチン接種
ワクチン接種で予防できる病気は「猫ウィルス性鼻炎気管炎(鼻かぜ)」「猫カリシウィルス感染症(インフルエンザ)」
「猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)」「白血病」「クラミジア」「猫エイズ」の6種類あります。
ワクチン接種時期は、子猫が生後2~3カ月齢に第1回目、1カ月後に第2回目、成猫は健康なときに接種し、
それ以降毎年1回を目安に追加接種を行います。
フィラリア症
フィラリア症とは、「蚊に刺されて心臓に虫がわき、呼吸がおかしくなる病気」で、認識される病気になってきました。
犬の病気ですが、猫や人にも寄生します。
犬のフィラリア症の多い地域の猫の感染率は高く、完全室内飼いの猫でも報告されるようになりました。
寄生数が少ないことや急死することで診断・治療が非常に難しい病気です。予防が最大の有効手段です。
予防は、犬と同じく毎月1回の飲み薬や滴下薬を蚊の出ている期間投与します。
寄生虫駆除
外部寄生虫であるノミ・ダニの定期的駆除と内部寄生虫の定期的な糞便検査と感染時駆除を行います。
これら寄生虫は皮膚病・ アレルギー・重症感染症を起こしますので定期的な駆除が必要です。
検便にやりすぎはありません。何度でも検査できます。
血液検査
猫エイズ・猫白血病・猫伝染性腹膜炎・トキソプラズマなどの病気が注目されています。
感染源は感染猫(主にノラ猫)とのケンカ(接触)です。絶対にケンカさせない=外に出さないようにしましょう。
これらの病気を血液検査で感染の有無を調べ、猫の健康管理をしましょう。
歯周病予防
生まれて間もなく生えた乳歯は、約半年で永久歯に生え変わります。猫の歯周病は日ごろの食生活と関係します。
柔らかい餌は歯周病の誘因になります。
月日を重ねた歯石は歯の根元に広がり、細菌感染を受けて歯周病になります。
歯周病予防は、毎日の歯垢除去が大切です。動物用歯ブラシでブラッシングをしたり、歯石除去をしましょう。
避妊手術・去勢手術
単に子供を作らない、産ませないだけではなく、さまざまなメリットもあります。
オス猫では、発情期の失踪やスプレー(あちこちに尿を少しずつかける現象)ケンカの減少、
メス猫もオス猫同様、失踪防止・鳴き声の軽減効果があります。
また、性格を従順にし、飼い易くさせることもできます。その反面、肥満・性格の変化・脱毛などが
起こることもあります。
失踪防止
「猫がいなくなりました。病院で捕獲されていませんか?」といった問い合わせがあります。
失踪しても困らないように、首輪に名前と電話番号を書いたり名刺やマイクロチップ
(ガラスの管に入った発信器のようなもの)をつけて飼い主様をわかるようにしてください。
万が一いなくなったら、市役所や警察、動物保護管理センターに連絡してください。
食事管理
食餌は病気の80%は作ると言われております。絶対に人の食餌は与えず、キャットフードを与えてください。
缶フードは嗜好性は良いのですが、歯牙疾患の誘引になり易いのでドライフードをオススメいたします。
猫は一度覚えた味をなかなか変えませんので、食餌変更が大変です。
暑さ対策
犬も猫も皮膚には汗腺がなく、汗がかけません。従って体温の放散ができずに熱中症になり易いです。
犬は猫よりも暑さに弱い傾向があります。外飼育の犬と屋内飼育の犬や猫のポイントをお知らせします。
屋外飼育:日陰を作り、風通しを良くする。扇風機で風を動かすことはできますが、汗をかかないので、
快適感はありません。
室内飼育:カーテンをして直射日光を防ぎ、エアコンを入れ、サーキュレーターで室内の空気をかき混ぜる。
複数の部屋がある場合は他の移動できるようにすると、涼しい場所に移動できます。
水はたっぷりと飲めるようにしておいてください。氷嚢や冷凍ペットボトル(凍傷に注意)もいいでしょう。
いろいろなグッズもありますが、動物が齧ることを想定した使用をしてください。
寒さ対策
犬では被毛がダブルコートの種類(柴犬、ポメラニアン、ハスキーなど)は寒さに強く、
外飼いの犬も体温調節が上手で、寒さに強いようです。
筋肉の少ない猫は筋肉の発熱量が少ないので寒がりと言えます。
屋外飼育:日当たりのよい場所に床材を敷いて隙間風を入れないように犬舎を囲い、出入り口は風下に向けましょう。
乾いた毛布などを入れてあげるのもいいでしょう。
屋内飼育:部屋には太陽光を入れる。エアコンを入れてサーキュレーターで室内の空気をかき混ぜる。
複数の部屋がある場合は他の部屋に移動できるにする。
湯たんぽやペットボトルにお湯を入れてタオルで巻いてもいいでしょう。
いろいろな保温グッズもありますが、動物が齧ることや火傷を想定した使用をしてください。
服は部屋では不要だと思います。外出時に着用すればいいと思います。
その他
猫は本来群れを作らず単独で自由気ままな生活を送ります。
しつけの必要性を感ずることも少ないと思いますが、外に出さない飼い方を実践してください。
また動物も人と同様高齢化しています。5歳をこえたら定期的に健康診断を実施し、
隠れた病気や慢性病を見つけて治療し、進行を遅らせ長生きさせてあげましょう。