
初めての方へ
犬と猫は人間の家族と共に生活できる、大変魅力的な動物ですが、やはり我々と同様“生き物”ですので、一生病気をしないことはありません。
病気の中にもペット同士で移るもの、人間に移るもの、慢性・急性・突然死するものなどがあります。
共に生活する上で注意し、未然に防ぐためにも飼い主様が気をつけなければならないことをこちらでご紹介させていただきます。
狂犬病予防注射
「狂犬病予防法」に基づいて、生後3ヶ月をこえる犬には毎年狂犬病予防の注射をしないといけません。
狂犬病に感染し発症した動物(ヒトを含む)は、ほぼ100%死に至ります。
万が一のためにも、犬全体に免疫力をつける(集団免疫)ため注射が必要なのです。
犬糸状虫症(フィラリア症)
フィラリアとは、「蚊にさされて心臓に虫がわく病気」です。
予防には飲み薬による方法と注射による方法があります。
飲ませる時期の目安としては、5~12月となります。
予防対策をしていれば確実に予防できます。
蚊は人間よりも動物の吸血を好むので、室内犬でも予防は必要です。
ワクチン接種
ワクチン接種で予防できる病気は「ジステンパー」「伝染性肝炎」「パルボ感染症」「犬アデノウイルス2型感染症」「犬パラインフルエンザ」「コロナ感染症」「レプトスピラ病」の8種類以上の病気を予防できます。
ワクチン接種時期は、仔犬は生後8週齢に第1回目、1カ月毎に計3回接種、成犬は健康なときに接種し、
それ以降、毎年1回を目安に追加接種で免疫力が維持できます。
寄生虫駆除
外部寄生虫であるノミ・ダニの定期的駆除と内部寄生虫の定期的な糞便検査と感染時駆除を行います。
これら寄生虫は皮膚病・ アレルギー・重症感染症を起こしますので定期的な駆除が必要です。
検便にやりすぎはありません。何度でも検査できます。
歯周病予防
犬の歯周病は日ごろの食生活と関係します。柔らかい餌は歯周病の誘因になります。
月日を重ねた歯石は歯の根元に広がり、細菌感染を受けて歯周病になります。
歯周病予防は、毎日の歯垢除去が大切です。動物用歯ブラシでブラッシングしたり、歯垢除去をしましょう。
避妊手術・去勢手術
単に子供を作らない、産ませないだけではなく、さまざまなメリットもあります。
オス犬は、発情期の吼えや咬傷事故・前立腺疾患・会陰ヘルニア予防・交尾感染症の抑制、
メス犬は発情期出血による汚染・吼え・乳腺疾患・交尾感染・子宮疾患の抑制の効果があります。
手術により中性化しますので、全般的に飼いやすくなります。
その反面、肥満・頻尿・脱毛などが起こることもあります。
失踪防止
「犬がいなくなりました。病院で捕獲されていませんか?」といった問い合わせがあります。
家に帰れなくなった犬は、ノラ犬になったり、交通事故にあうなどの運命をたどります。
犬には狂犬病予防法で鑑札の取り付けが義務付けられています。
首輪に名前と電話番号を書いたり、名札やマイクロチップ(ガラスの管に入った発信器のようなもの)をつけて飼い主様がわかるようにしてください。
万が一いなくなったら、市役所や警察、動物保護管理センターに連絡してください。
食事管理
食餌は病気の80%を作ると言われております。絶対に人間の食事は与えず、ドッグフードを与えましょう。
缶フードは嗜好性は良いのですが、歯牙疾患の誘引になり易いのでドライフードで大粒ものをオススメいたします。
犬はおいしいものをよく覚えますから、生涯同じ味で年齢に合わせた餌を選びましょう。
しつけ
犬に飼われないようにしましょう。犬はもともと集団の中で自分の地位を確立しています。
家庭の集団の中で地位を確立し、少しでも自分が上位の地位に着こうとします。
常日頃から犬を触りながら、多少の痛いこともしながら我慢させることも覚えさせます。
しつけの開始時期は早くても大丈夫です。「お座り」「フセ」「待て」「おあずけ」も必要ですが、
それ以上に必要なことがたくさんあります。詳しくはお尋ねください。
暑さ対策
犬も猫も皮膚には汗腺がなく、汗がかけません。従って体温の放散ができずに熱中症になり易いです。
犬は猫よりも暑さに弱い傾向があります。外飼育の犬と屋内飼育の犬や猫のポイントをお知らせします。
屋外飼育:日陰を作り、風通しを良くする。扇風機で風を動かすことはできますが、汗をかかないので、
快適感はありません。
室内飼育:カーテンをして直射日光を防ぎ、エアコンを入れ、サーキュレーターで室内の空気をかき混ぜる。
複数の部屋がある場合は他の移動できるようにすると、涼しい場所に移動できます。
水はたっぷりと飲めるようにしておいてください。氷嚢や冷凍ペットボトル(凍傷に注意)もいいでしょう。
いろいろなグッズもありますが、動物が齧ることを想定した使用をしてください。
寒さ対策
犬では被毛がダブルコートの種類(柴犬、ポメラニアン、ハスキーなど)は寒さに強く、
外飼いの犬も体温調節が上手で、寒さに強いようです。
筋肉の少ない猫は筋肉の発熱量が少ないので寒がりと言えます。
屋外飼育:日当たりのよい場所に床材を敷いて隙間風を入れないように犬舎を囲い、出入り口は風下に向けましょう。
乾いた毛布などを入れてあげるのもいいでしょう。
屋内飼育:部屋には太陽光を入れる。エアコンを入れてサーキュレーターで室内の空気をかき混ぜる。
複数の部屋がある場合は他の部屋に移動できるにする。
湯たんぽやペットボトルにお湯を入れてタオルで巻いてもいいでしょう。
いろいろな保温グッズもありますが、動物が齧ることや火傷を想定した使用をしてください。
服は部屋では不要だと思います。外出時に着用すればいいと思います。
その他
動物も人と同様に高齢化していきます。
5歳を超えたら定期的な健康診断を実施して、隠れた病気や慢性病を見つけて、
治療したりして、進行を遅らせ長生きさせてあげましょう!